事例紹介

不動産2021.09.27.農地転用許可と地目変更その2

その①はこちら

前書き

 そもそも地目変更登記ってどんな手続き?

地目は何種類あるのか?

農転の許可書があっても地目変更登記はすぐ出せない?

 

地目変更登記とは、登記簿上の地目から「現在の」土地の種類や用途が変更された場合に申請を出す事が出来る登記です。

※現在、登記で認められている地目は23種類あります。

 

具体例

農地転用許可(若しくは受理通知書)があった場合

 

農業委員会等から「農地転用を認める」書面があったとしても申請地の現況地目が変わっていなければ地目変更登記を出すことが出来ません。

何故でしょうか?

新築工事を着手しなければ、「現状地目」に変化がないためです。 地目を田畑→「宅地」へ地目変更登記が出来る条件は、以下の条件が全て満たした時以降から申請可能となります。

 

①農地法の転用許可等が出ている事

 

②建築基準法の確認申請が提出され、確認済証が発行されている事

 

③建物の基礎工事が完了している事

 

 

農地をどうすれば売買出来るの?

地目を「田」「畑」以外に変更登記が完了した後であれば、通常の土地と同様に所有権移転(売買)が可能となります。また、農地法第3条許可又は第5条の届出が出ている場合はそれを添付して地目が「田」「畑」のまま売買を原因として登記することができます。

 

 

売買時の流れ

市街化区域と以外化調整区域で農地転用~所有権移転までの流れを纏めます。

 

◇市街化区域の場合

 

①役所へ農地転用届出を提出及び受理通知書受領(2週間程度)

 

②確認申請提出~確認済証を受領後、建物基礎部分まで完成

 

③宅地へ地目変更登記を申請(2週間程度)

 

④所有権移転登記を提出(2週間程度)

①~④までの期間を見込んだ上で契約~決済までのスケジュールを計画して頂く必要があります。

 

 

◇市街化調整区域の場合

①役所へ農地転用許可を提出及び許可書受領(一般的に3ヶ月程度)

 

②確認申請提出~確認済証を受領後、建物基礎部分まで完成

 

③宅地へ地目変更登記を申請(2週間程度)

 

④所有権移転登記を提出(2週間程度)

 

農地転用許可の添付書類を買主にお願いして手配を頂く期間がありますので、想定より時間が掛かるケースが多いです。

 

 

後書き

農地転用は市街化調整区域では簡単ではありません。コストも時間も非常にかかることを意外と理解していない方がいます。東京23区内ではそもそも農地が殆どないので、仕方がないのかもしれませんが、例えば千葉で農地を相続してそこに家を建てる場合など、農地転用が必要になる場合はまず専門家へご相談ください。

文責:庄田

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