相続手続き

神楽坂の風景写真

相続が発生するとまず行われるのは、通夜や葬儀。そしてこれらが終わって一段落すると、具体的な法律上の手続きや判断を行う事柄が発生してきます。手続の種類は90種類以上と多岐にわたり、様々な手順が民法や相続税法などに定められています。 その中には期限内に定められた手続を行わないと不利益を被る手続きもあります。 そこで、最低限これらの期限を把握し、全体の流れを知っておくことが、相続という大きな問題をスムーズに解決して行くポイントといえます。

相続の流れ

相続の流れ

1.相続人確定

まず、法定相続人が誰で、どこに何人いるのか確定する必要があります。具体的には亡くなられた方の戸籍を遡って取得して調査します。相続税の申告にも、遺産分割協議にも法定相続人の情報は必須です。
相続人の範囲によって取得する戸籍の量は大きく変わってきます。民法上の相続人は以下の通りです。

(1) 相続人の範囲
死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。
第1順位
死亡した人の子 その子が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を優先します。
第2順位
死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など) 父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。 第2順位の人は、第1順位の人がいないとき相続人になります。
第3順位
死亡した人の兄弟姉妹 その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。 第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。 なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。 また、内縁関係の人は、相続人に含まれません。
(2) 法定相続分
イ 配偶者と子供が相続人である場合 配偶者1/2 子供(2人以上のときは全員で)1/2
ロ 配偶者と直系尊属が相続人である場合 配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3
ハ 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合 配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4
なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。

民法に定める法定相続分は、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の取り分であり、必ずこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。
亡くなられた方にお子様がいらっしゃる場合にはそこまで複雑になることはありませんが、いらっしゃらない場合には相続人確定までに2か月以上かかることもあります。

法定相続分一覧表

ケース 法定相続分
相続人 割合 相続人 割合
配偶者のみ 配偶者 100%
子及び配偶者 1/2 配偶者 1/2
直径尊属 及び配偶者 直径尊属 1/3 配偶者 2/3
兄弟姉妹 及び配偶者 兄弟姉妹 1/4 配偶者 3/4

相続人の範囲と順位

相続人の範囲と順位

相続人となる人は、民法により以下のように定められています。
  • ■ 被相続人の配偶者は常に相続人となる。
  • ■ 被相続人の子は相続人となる。(第1順位)
  • ■ 被相続人の直系尊属(父母、祖父母など)は、被相続人の子及びその代襲相続人がいない場合に限り、相続人になる。(第2順位)
  • ■ 被相続人の兄弟姉妹は、被相続人の子及び代襲相続人がなく、かつ、相続人となる被相続人の直系尊属もいない場合に限り、相続人となる。(第3順位)

2.財産・遺言調査

相続人の確定と並行し、財産調査は急ぐ必要があります。もしも残された財産よりも負債の方が多かった場合は家庭裁判所で相続放棄という手続きをしなければなりませんが、その手続きは相続があったことを知ってから3か月以内という制限があるためです。
不動産に銀行や郵便局の預貯金、証券や債券、車等の動産や負債(借金)に至るまで全て調査し、財産目録を作成いたします。通帳などがないこともありますので、近隣の金融機関等をしらみつぶしに調査することもあります。
また、初期段階で遺言書を探す必要があります。勿論、預かっていたり、以前に公正証書遺言を作成したことを知っていればわざわざ探す必要はありません。発見した場合、自筆証書遺言又は秘密証書遺言の場合には、封がしてあったら勝手に開けてはいけません。家庭裁判所で検認手続きをする必要があります。
公正証書遺言であれば平成元年以降に作成されたものは、遺言検索システムという公証役場のシステムで検索することが出来ます。

主な財産の確認と確定のための資料

財産の種類 確認・確定するための資料 確認先、取り寄せ先
1.不動産 ①土地
  • ・登録済証または登記識別情報
  • ・土地登記簿謄本
  • ・地積測量図・公図
  • ・固定資産評価証明
  • ・路線価図・倍率表
  • ・借地の場合:借地契約書
  • 手元
  • 法務局
  • 法務局
  • 市町村役場
  • 税務署HP
  • 手元
②建物
  • ・登録済証または登記識別情報
  • ・土地登記謄本(登記事項証明書)
  • ・固定資産評価証明
  • ・借地の場合:借地契約書
  • 手元
  • 法務局
  • 市町村役場
  • 手元
2.有価証券 ①株式
  • ・株式(未上場会社の場合)
  • ・所有株式数証明書
  • ・残高証明書
  • 手元
  • 証券代行受託会社、株式発行会社
  • 保護預け先(証券会社)
② 公社債
  • ・現物
  • ・残高証明書
  • 手元
  • 保護預け先(証券会社・銀行・ゆうちょ銀行等)
③投資信託
  • ・残高証明書
  • 保護預け先(証券会社・銀行等)
3.預貯金
  • ・通帳・証書
  • ・残高証明書
  • 手元
  • 預入先(銀行・ゆうちょ銀行等)
4.その他 ①ゴルフ会員権
  • ・現物
  • 手元
②車
  • ・車検証
  • 手元
③書画骨董
  • ・現物
  • 手元
④貸付金
  • ・貸付証書・金銭消費賃借契約書等
  • 手元
⑤保険契約者としての権利義務
  • ・保険証書
  • 手元
5.債務 ①借入金
  • ・借用書・金銭消費賃借契約書等
  • 手元

3.遺産分割協議

財産の調査が終わり、遺言書がなかった場合には遺産をどのように分けるのか相続人全員で協議する必要があります。遺産分割の時期については、相続開始後であればいつまでにしなければならないという法律上の期限は特にありません。被相続人が遺言で分割を禁止していないかぎり、いつでも自由に分割を請求することができます。
しかし、相続税の申告や各種税額軽減措置の適用は遺産分割が前提となっていますし、あまり時間が経ちますと遺産が散逸したり、相続の権利のある関係者が増えていくなど、複雑になってきますので、なるべく早い時期に分割協議を行うべきです。
分け方について、法律上は法定相続分が決まっていますが、相続人間で合意ができればどのような割合で分けても問題ありません。しかし、相続税の小規模宅地の特例や配偶者の控除など、誰が相続するかによって相続税額が大きく変わることもあるため、安易にすることは危険が伴います。また、不動産など、共有にすると処分が大変になるものもあるため、単純に半分づつ等としないほうがいいこともあります。なお遺言がある時は、遺言が優先されますが、遺言と違う内容の遺産分割協議をすることは可能です。

遺産分割協議が成立したら「遺産分割協議書」を作成します。協議書の書き方は自由ですが、「誰が、どの財産を相続するのか」を明確に書きましょう。特に不動産の場合は、登記簿謄本(登記事項証明書)の記載通りに書きましょう。

分割の方法

現物分割 個々の財産を具体的に各相続人に分ける方法で、単独又は、共有名義でそれぞれに分配する最も一般的に行われている方法です。「自宅をAに、この預金をBに、自動車をCに・・・」と、具体的に分割します。
換価分割 遺産の一部、又は全部を売却処分し、その代金を各相続人に分配します。
代償分割 相続人のうち一人または数人が、遺産の全部または大部分を相続し、その人の相続分を超えた分については、他の相続人に金銭などの別の財産を与える方法です。

4.相続登記・引渡し

遺言または遺産分割協議に従い、遺産を分配する手続きをします。不動産など共有にしにくいもので売却して現金で分割する場合にはここで売却することになります。また家財や本など不要な動産類がある場合には遺品整理業者などへ依頼することもあります。
そのまま相続人へ引き継ぐものは、不動産は相続登記、車は変更登録、預貯金や証券は名義書き換えの手続になり、家財や祭祀道具等動産は物理的に引き渡します。
土地や建物などの不動産を相続したら、不動産所在地の法務局に所有権移転登記申請を行う必要があります。登記申請書には、被相続人の除籍謄本、改製原戸籍謄本・除籍住民票または戸籍の附票、固定資産評価証明書(固定資産課税台帳謄本)、遺言書・遺産分割協議書、相続人の戸籍謄本、印鑑証明書、住民票等の添付が必要です。事案により多少変わります。
不動産の相続登記の際の登録免許税額は、登記する不動産の固定資産評価額に4/1000をかけて計算した額です。

 

相続や遺言、不動産についてのご相談やお問い合わせはこちらから

お問い合わせフォームへ

初回に限り相談は無料でお受けしております。
土日、祝、時間外も相談をお受けしておりますので(要予約)まずはお気軽に相談のご予約をお待ちしております。