事例紹介

登記2017.02.28.建物滅失登記その2

 

以前に建物滅失登記についてコラムを書いたところ、一般の方からの反響が多かったため、今回は自分で申告してみたいという人のために出来る限り分かりやすく申請の仕方を説明しようと思います。

 

まず、登記申請の構造をざっとご説明します。

 

1 土地・建物はほぼ全て登記簿があり、法務局が管理しています。

 

2 物件に何か物理的な変更があると所有者は法務局へ届出る義務があります。通常は図面や測量が必要なため、土地家屋調査士に依頼することになります。滅失登記はどちらも必要ありません。

 

3 建物を取り壊したら、取壊し完了後の1ケ月以内に滅失登記しなければなりません。違反した場合には10万円以下の過料が課せられるということになっていますが、実際に課せられたという話は聞いたことがありません。しかし、色々なデメリットはありますのできちんと登記しましょう。

 

4 取壊した建物の現地を確認しに行きます。その際、写真を何枚かとっておき、後の登記申請に添付すると親切です。建物は完全に壊れていなくても、建物としての機能がない状態であれば(住居の場合、半壊して住めなければ)登記申請できます。

 

5 取り壊しを依頼した業者から取り壊し証明書をもらいます。印鑑証明書付きです。同時に、取り壊した建物の謄本を取得しましょう。家屋番号が分かれば法務局で取得することが出来ます。家屋番号は権利証や売買契約書、固定資産税納税通知書に記載されています。住所とは別です。

 

6 申請書を作成します(後掲)。自筆でも印刷でも構いません。郵送でも申請できますが、直接法務局へ申請しに行っても構いません。何か間違いがあったら電話がありますので訂正しに行く必要があります。申請する際は返信用の封筒を付けましょう。赤いレターパックがお勧めです。

 

7 一般の方が申請する場合、法務局の職員が現地を確認しに行くことがあります。その際は事前に連絡があります。

 

8 2週間ほどで登記が完了し、登記簿は閉鎖されます。法務局から特に連絡はありません。返信用の封筒を付けておけば、直接取りに行かなくても、登記完了証という書類を送ってくれるので、登記が完了したことが分かります。固定資産税や都市計画税は1月1日の所有者に課税されますので、次年度以降は払わなくてよくなります。

 

 

登記申請書見本の見本を掲載します。コピペ等ご自由にお使いください。物件・当事者はフィクションです。

 

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登記申請書

 

登記の目的 建物滅失登記

申請人 東京都新宿区神楽坂五丁目23番地 神楽坂KSビル3階

    庄田和樹  ㊞

連絡先 03-5946-8698

添付書類 滅失証明書(印鑑証明書付) 1※変更証明書 

平成29年2月28日申請 東京法務局新宿出張所 御中

送付による登記完了証の返却を希望します。

 

物件の表示

所在 新宿区神楽坂五丁目23番地

家屋番号 23番

種類・構造 木造かわらぶき2階建

床面積 1階20.10㎡ 2階20.10㎡

登記原因及び日付 2※平成29年2月2日取壊し

 

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1※申請者の登記簿の住所と現在の住所が違う場合には、変更の履歴が分かるように住民票又は戸籍の附票を添付する必要があります。

2※原因日付は実際に取り壊された日です。壊されたことを確認しに行った日で構いません。

 

以上、建物滅失登記について簡単に説明しましたが、これに当てはまらない様々な事情があると思います。その際はお気軽に土地家屋調査士までお電話ください。

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司法書士法人・土地家屋調査士法人・行政書士 神楽坂法務合同事務所
代表 庄田 和樹
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