事例紹介

不動産2017.03.6.任意売却とは

任意売却とは、不動産を売却しても住宅ローンを全額銀行に返済できず、住宅ローンが残ってしまう状況において、債務者と債権者の間に仲介者(主に不動産業者)が入り、不動産を競売にかけずに債務者・債権者・不動産の購入者の3者が納得の行く価格で取引を成立させることです。

住宅ローンの返済が困難に陥った場合、金融機関は、抵当権に従って、所有者の不動産を差押え、 競売し換価します。しかし競売だと、いくらで落札されるかは競売開札日までわからないし、市場価格より2~3割低い価格になることが多いと言われています。

そこで仲介者が債務者と債権者の間に入り、なるべく両者に満足が得られる価格で売買を成立させることを、任意売却と言います。不動産・金融業界では「任売(にんばい)」と略称されています。

競売よりも任意売却のほうが有利な条件で不動産を売却できるため、債権者も競売より任意売却のほうがより多くの債務の回収ができるという利点が有るので、住宅ローンの支払いが滞り出すと、銀行に呼ばれ、その場で任意売却を勧められます。

 

任意売却は裁判所による法定の手続きによるわけではないので、特別に定められた手順や制度があるわけではありません。関係当事者の協力と同意があれば任意売却の合意は成立します。任意売却の登記は多数の利害関係人が関与したり、競売手続きや倒産法と関係したりして、一般的な売買による所有権移転登記に比べ煩雑であることが多いため、事前打ち合わせや準備を入念にしておく必要があります。

任意売却を行う上で、担保不動産の処分権限者がだれであるかを確認することがまず初めに必要になります。破産手続き等が開始されていると、当該不動産の処分権限は管財人等が持つことになるからです。

競売申立まえの差し押さえ等の入っていない物件の任意売却は、登記の申請手続き自体は通常の取引における手続きと異なることはありませんが、債務者が弁済困難であったり支払い停止状態にあるので、新たな差し押さえ登記等がされていないことの確認のため、取引直前に登記簿の確認をする必要があります。

(文責:角谷)

-----------------------------------------
司法書士法人・土地家屋調査士法人・行政書士 神楽坂法務合同事務所
代表 庄田 和樹
東京都新宿区神楽坂4丁目1番1号  オザワビル6階
TEL03-5946-8698 FAX03-5946-8699

相続や遺言、不動産についてのご相談やお問い合わせはこちらから

お問い合わせフォームへ