事例紹介

事例紹介2023.12.28.遺言の撤回

遺言書は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部を撤回することができます。

前はこのように遺そうと万全を期して作成したにもかかわらず、状況が変わったり、気持ちが変わったりすることがあります。そのような場合には、前の遺言で後の遺言と抵触する部分について、後の遺言で前の遺言を撤回します。

以下は例文となりますので、ご参考にしてください。

 

(1)前の遺言の全部を撤回する場合

第○条 遺言者は、令和○年○月○日付で作成した自筆証書遺言を全部撤回し、あらためて次のとおり遺言をする。

遺言公正証書の場合は、令和○年○月○日□□法務局公証人△△△作成にかかる同年○○号遺言公正証書による遺言者の遺言の全部を撤回する。

 

(2)前の遺言の一部を撤回する場合は撤回しようとする部分を明示する

第○条 遺言者は、令和○年○月○日付自筆証書遺言の「第○条 遺言者は、以下の土地を妻A(昭和○年○月○日生まれ)に相続させる。」とあるのを撤回する。

変更する場合には、上記に続けて以下のように記載します。

2 遺言者は、下記の土地を長女B(平成○年○月○日生)に相続させる。

 

(3)遺言執行者の指定を撤回する場合

第○条 遺言者は、令和○年○月○日付自筆証書遺言の「第○条 遺言執行者は、本遺言の雄遺言執行者として、妻A(昭和○年○月○日生)を指定する。」とあるのを撤回する。

遺言執行者の定めを撤回し、改めて指定をしない場合には、相続開始時において、「遺言執行者がいないとき」にあたりますので、利害関係人の請求によって家庭裁判所が遺言執行者を選任することとなります。

変更する場合には、下記のように記載します。

第○条 遺言者は、令和○年○月○日付自筆証書遺言で指定した遺言執行者を、妻A(昭和○年○月○日)から長女B(平成○年○月○日生)に変更する。

 

撤回する場合には、作成日で遺言を特定して、どの遺言書を撤回するのか、明確にしましょう。

 

なお、遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなされます。

(高橋)

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