事例紹介

事例紹介2022.10.17.亡くなった方の契約している保険を調べるには

はじめに 

お亡くなりになった方が生命保険に加入している場合、保険証書や口座からの引き落としがあればどこの会社の保険に入っていたかを確認することができます。

しかし、払い込みが終わってしまった終身保険等は、証書や毎年保険会社から送られてくる契約のお知らせがないと気が付かないこともあります。証書を無くしてしまったり、住所が変わったのに変更届をせず郵送物が届かない場合などには存在を知ることが難しくなります。このように、本人以外契約していることがわからない保険を知るためにはどうすればいいでしょうか。

保険契約の調べ方

生命保険会社の業界団体である一般社団法人生命保険協会には「契約照会制度」という制度があり、どの保険会社と契約しているのかを調べることができます。協会には日本国内で営業活動をする生命保険会社42社すべてが加入しており、42社すべてについて被相続人が契約者もしくは被保険者である保険契約の有無を調べることができます。

申請すると申請内容に基づいて保険各社に照会し、死亡日現在に継続している個人保険を知ることができます(死亡でない場合には、照会を受付した日現在有効に継続している個人保険)。42社との契約の有無を〇か×かのざっくりした回答になるので、照会後の詳細については各社に直接問い合わせることになります。

ただし、財形保険契約及び財形年金保険契約、支払いが開始した年金保険契約、保険金等が据え置きとなっている保険契約は調査の対象から除かれますので、ご注意ください。

照会方法と必要書類

照会することができるのは、照会対象者の法定相続人、法定相続人の代理人、遺言執行者です。照会は、郵送でもWEBでも申請することができます。

必要書類は以下の通りです。

法定相続人の場合

  • 照会者の本人確認書類
  • 相続人と被相続人の関係を示す戸籍等
  • 照会対象者の死亡診断書
  • 代理人が申請する場合には、法定代理権の確認書類(登記事項証明書:法定代理人)もしくは委任状(任意代理人)

遺言執行者の場合

  • 照会者の本人確認書類
  • 印鑑証明書
  • 遺言書
  • 遺言者の除籍謄本

 

利用料は、1件当たり3,000円(税込)です。

 

死亡のほかに、照会対象者の認知能力が低下して生命保険契約の存在が不明な場合や、災害で死亡もしくは行方不明になった場合にも調べることができます。

おわりに

保険は死亡保険金のほかに、解約返戻金が戻ってきたり、入院や手術の費用が支払われたり、特約が還付されたりする場合があります。ある程度まとまった金額が支払われる可能性がありますので、調査をしてみる価値はあると思います。

まずは調査をする前に、家の中を整理して保険証券や保険会社からの定期的な郵送物をさがしたり、預金通帳の口座振替の記録などを調べて確認してみましょう。

 

(高橋)

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