事例紹介

事例紹介2022.02.21.内容証明って何??

はじめに

様々なトラブルが発生した場合で耳にすることがある「内容証明」。

堅苦しいネーミングから、何だか恐ろしいもの、届いたらおしまい! などと思っている方もいらっしゃるのでないでしょうか。

内容証明は、内容の証明と配達日の証明という特殊な効果が認められるというだけで、単なる手紙とさほど変わりはありません。とはいえ、その特殊な効果ゆえ、様々な場面で重要な役割を果たす場合があります。どのような場合があるかを知っておけば、むやみに恐れる必要はありません。以下、説明します。

 

もしも内容証明が届いたら・・・

Aさんにお金を借りたあなたに、いますぐお金を返してほしいという内容証明が届いたとします。内容証明には配達証明というサービスも付されていました。もっともあなたとAさんとの約束では、半年後までにお金を返せばよいことになっていました。このような場合、あなたは内容証明郵便の内容に従ってすぐにお金を返す必要があるでしょうか?

 

  答えはノーです。

 

内容証明郵便とは、一般書留郵便物の内容文書について郵便局が証明するサービスです。

いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって郵便局が証明する制度です。

証明されるものは内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかどうかではありません。

受取人へ送達する内容文書を謄写した文書を2通用意し、差出人および差出郵便局において保管することでその内容を証明します。

その際、配達証明も付されていれば(ほとんどの場合付される)、配達の日時も証明されます。

本件では、郵便局が証明しているのは「今すぐお金をかえしてほしい」という内容の文書が、Aさんからあなたに対しいついつ届いた、という事だけ。

あなたは、そんな手紙は知らない、届いていない、などという言い逃れはできませんが、手紙に従ってお金を返す必要まではありません(もちろん、トラブルは嫌だとして任意に支払ってしまうことは問題ありませんが)。

あなたは、「弁済の期日は到来していないからまだ支払わない。」などと落ち着いて反論することができます。

 

仮に裁判所からの郵便物だったら

この点、裁判所から同じような内容の手紙が届いた際には注意が必要です。

Aさんから訴訟提起をしたという旨の文書(訴状)が届いた場合、これを無視して裁判所からの出頭に応じなければ、Aさんの主張がそのまま公的に認められた判決となってしまいます。

たとえ、弁済日がまだ来ていなかったからと言って、後からあなたの意見が聞き入れられる事はありません。

裁判所からの郵便物が届いた場合には、裁判所に問い合わせてみたり、法律専門家に相談するなどの対応を速やかにとる必要があるでしょう。

 

内容証明が重要な役割を果たす場面

・債権の譲渡時に譲渡債権者から債務者に送る通知(民法467条2項の要請。)

・契約の相手方に送る解除通知書

・期限の利益を喪失させるとき(「分割払いの支払いを怠った場合に催告にもかかわらず支払がない場合は残金一括返済をする」旨の約束があるときの債権者からの催告など)

・時効の中断(時効完成日前に催告として通知。6か月以内に裁判上の請求を行うことで、時効を中断できる。)

・クーリングオフ(一定期間内に契約申し込みの撤回の通知等を書面で行う必要がある)

・訴訟提起を考えているとき(訴訟前の最後通告として)

 

いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを証明する、というその効果から、内容証明郵便は上記のような場面で重要な役割を果たしています。

証明された内容は、トラブルが訴訟に移行した場合には証拠として採用されます。

 

事実上の効果

もっとも、内容証明が通常の郵便とは異なる特別な形式の郵便であることから、一般的には受取人に強いプレッシャーを与えるといえます。

したがって、内容証明郵便には受取人に自主的な履行を促したり、さらなるトラブルを回避するといった事実上の効果も認められるのです。

しかし前述の通り、もしあなたが受け取った内容証明郵便の内容に不服がある場合は、やみくもにそれに従う必要はまったくありません。どのような対応が得策か、落ち着いて考え、場合によっては専門家へアドバイスを求めましょう。

 (文責 桃田)

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