事例紹介

事例紹介2021.07.5.検認を済ませた自筆証書遺言を失くしてしまったら?

遺言書をなくしてしまった!

被相続人の死後、自筆証書が見つかり家庭裁判所で検認を受けた――。

 

しかし、相続手続きは、その完了までに長い期間を要しがちです。

また、葬儀やその後のこまごまとした手続や遺品の整理などで、相続手続きが一旦ストップしてしまうことも多いものです。

ましてや、相続が訴訟等に発展した場合は、解決までに年単位の期間が必要となります。

もし、その間に検認済みの自筆証書遺言の原本を失くしてしまったら…?

 

ありえない話ではありません。

 

検認期日調書謄本

実際に、自筆証書遺言を失くされてしまったお客様からご依頼をいただいたことがあります。

手元にあるのは、検認済みの自筆証書遺言のコピーのみ。

しかし、被相続人の方は不動産を遺してご逝去されたため、相続登記を申請しなければなりませんでした。

遺言書による相続登記の申請には、原則として遺言書の原本が必要です。

こういったケースでは、「検認期日調書謄本」の取得が有効です。

検認期日調書謄本とは、遺言書の検認にあたって設けられた裁判所の検認期日の内容が記載された調書のことです。

調書に記載される内容は、担当した裁判官や出席した相続人の氏名、陳述した内容、検認された遺言書の状況(外観や内容)などです。

 

検認を経た遺言書は、偽造・変造防止のために、この検認期日調書とともにその写しが裁判所で保管されます。

まずは検認をした裁判所へ、この期日調書謄本を請求しましょう。

不動産登記手続上は、この検認期日調書謄本を、登記申請の添付情報の一内容(遺言執行者の代理権限証明情報)として認めた先例があります。

ただし、どんな相続登記の場合でも利用できるというわけではありませんので、専門家への相談や法務局との打ち合わせは必須です。

 

おわりに

しかし、こういった手続きも自筆証書遺言の検認あればこそのお話です。 

自筆証書遺言を発見した場合は、速やかに家庭裁判所へ検認を申し立てましょう。

弊所では検認の申立てについてはもちろん、ご相続に関してあらゆるご相談に対応しておりますので、ご不安事がある方は気軽にお問い合わせください。

 

(文責:大石・庄田)

 

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