事例紹介

事例紹介2020.08.24.公証人に聞く相続法の改正後の実態(最終回)

今回も前回に引き続き、相続法の改正後の実態、最終回をお送りします。

今回は、特別の寄与の制度の創設についてです。

過去の記事はこちら。

 

第1回 配偶者居住権

第2回 預貯金の払戻し制度の創設

第3回 遺留分制度の見直し 

 

特別寄与料制度とは

2018年の相続法改正により、民法1050条が新設され、相続人以外の親族に対しての特別寄与料制度が制定されました。

 

この制度は、2019年7月1日に施行されています。

その内容は、相続人以外の被相続人の親族(特別寄与者)が、無償で被相続人の療養監護等を行なった場合には、相続人に対して金銭の請求ができるようになったというものです。

具体例

端的に、次のような簡単な例を見てみましょう。

被相続人の世話と介護を、最後まで一人で何年間も担ってきた長男の妻のことを想像してください。

 

被相続人には子供が、長男、二男、長女の3人いました。

妻は既に他界しています。同居していた長男夫婦には子供がいません。

その長男も数年前に他界していて、実家では被相続人と長男の妻の2人暮らしでした。従って、相続人は、二男と長女の2人です。

 

旧法では、

① 相続人である二男、長女は、被相続人の介護を全く行っていなかったとしても、相続財産を取得することが出来ます。

② 他方、長男の妻は、どんなに被相続人の介護に尽くしても、相続人ではないため、被相続人の死亡に際して相続財産の分配にあずかれません。これでは、長男の妻は「不公平 !」と言わざるを得ません。

 

そこで新法では、相続開始後、

① 長男の妻は、相続人である二男と長女に対して、寄与に応じた額の金銭の請求をすることができるようになったのです。

② これで、長男の妻が行ってきた、被相続人に対する介護等の貢献に報いることができ、実質的な公平が図られることになったのです。

 

遺産分割自体は、旧法と同様、相続人(二男と長女)だけで行なうこととしつつ、相続人に対する金銭請求を認めることにしたものなのです。

 

特別寄与者の範囲

この特別寄与者の範囲ですが、特別寄与者になれるのは、相続人ではない親族です。

民法上の親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族をいいます。

つまり、あくまでも親族が対象になりますので、いわゆる家政婦さん等が介護や看病をした場合は、特別寄与者には該当しません。

また、特別寄与者は、無償で介護などの貢献をしていたことが必要で、もし対価をもらって介護等をしていたとなると請求することができません。

 

最後に

以上、4回にわたって改正相続法についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。

きちんと理解しておかなければ、大切なご自身の財産を思うように遺すことができません。

もちろん遺言を活用するのも有効な手段ですし、場合によっては既に作成した遺言を新たなものに作り直す必要もあるかもしれません。

これを機に、ご自身の相続について今一度考えてみてはいかがでしょうか。

心配なことがありましたら、ぜひお近くの専門家にご相談ください。

 

文責:鈴木

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