コラム

コラム2018.12.25.民法改正で自筆証書遺言がより利用しやすく

平成30年7月に民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律、法務局における遺言書の保管等に関する法律が改正されました。

遺言書をより利用しやすく、相続をめぐる紛争を防止するために、自筆証書遺言について以下のことができるようになります。

〇自筆証書遺言で自筆でない財産目録を添付して作成できる(H31.1.13~)

〇法務局で自筆証書遺言が保管できる(2020.7.10までに施行予定)

 

これらのことにより、

・全文手書きで書かなくてはいけない

・土地や建物などの書き方が難しく、書き方に不備があると認められない

・偽造・変造・隠匿・破棄の恐れがある

・相続発生後、家庭裁判所で検認の手続きをしなければならない

・相続発生後、遺言書を見つけてもらえないかもしれない

などのデメリットが払しょくされ、自筆証書遺言がより手軽に作れるようになり、より確実に保管しておくことができるようになります。手間や費用をかけたくない人からのサポートの要望が増えることが考えられますので、具体的にみていきたいと思います。

 

 

財産目録については自筆以外でもOK

自筆証書遺言では、遺言書を作る人が

1.全文を手書きで書く

2.印鑑を押す

必要があります。

ところが、改正後は「1.全文を手書き」の部分が変わり、
本文さえ手書きすれば、財産目録の部分については

・ パソコンなどで作った財産リスト
・ 不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)の写し
・ 預金通帳のコピー

を添付すれば、OKになりました。(ただし、財産目録のすべてのページに(両面なら表裏両方に)署名し、印鑑を押す必要があり)。

 

このことにより、不動産や預貯金の書き方の不備により無効となっていた遺言書を減らすことができ、自筆の有効性を高めることができます。具体的例は以下の通りです。

 

1 遺言書本文(こちらは全て手書き)

遺言書見本

 

2.財産目録の部分

・PCで作った財産目録に署名・押印

・登記事項証明書に署名・押印

・通帳の写しに署名・押印

財産目録見本

預金通帳のコピー見本

 

 

作成した自筆証書遺言を法務局で保管してくれる!

 

自筆の遺言を、法務局(遺言書保管所)で保管してくれる制度が新たにできます。

現状、自宅で保管されることが多い自筆の遺言書。遺言書をどこにしまってあるのか伝えておくと見つけてもらいやすい反面、家族が廃棄・隠匿したり、改ざんする恐れがあります。一方、だれにも伝えずにこっそり隠しておくと遺言書を見つけてもらえないかもしれません。

また大切な書類だからと銀行の貸金庫に保管する方もいますが、貸金庫は口座凍結と共にあけることができなくなり相続人が全員同意するまで開けることができなくなります。

 

せっかく家族や親しい人に思いをこめて書いた遺言書が読んでもらえなければ書いた意味がなくなってしまいます。遺言書の意思を生かすため、また遺言書の存在の把握を容易にするために、保管制度が創設されました。

 

この制度を利用すると、相続後に必要だった、家庭裁判所での検認手続きが不要になるというメリットがあります。

封をしていない自筆証書遺言を

  • 遺言する人の住所地
  • 遺言する人の本籍地
  • 遺言する人が所有する不動産の所在地

いずれかの法務局に持っていくと、内容を形式的にチェックしてくれた上で、データ化し、「遺言書保管ファイル」に保管してもらえます。

【 遺言書保管ファイルに画像保存される内容 】
・ 遺言書の画像情報
・ 遺言書作成年月日
・ 遺言者の氏名、生年月日、住所、本籍(国籍)
・ 受遺者や遺言執行者の氏名、名称、住所
・ 遺言書の保管開始日
・ 遺言書保管所の名称、保管番号

 

生前、本人が法務局に出向けば、いつでも閲覧したり、保管を撤回したりできます。

また死後は、相続人などなら、現在の公正証書遺言のように遺言の有無が検索でき
保管されていた場合は、「遺言書保管ファイル」の記録内容を証明した
「遺言書情報証明書」を交付してもらえます。

 

まとめ

ここまで遺言書作成のルールの緩和と自筆証書遺言の保管制度についてお伝えしてきました。

一年の区切りである年末年始は、これまでの人生を振り返ったり家族のことを改めて考えたりしながら相続の準備するいい機会ではないかと思います。

遺言書は家族や親しい方に残す最後のお手紙です。これまでの厳格なルールが緩和され、利用しやすくなったので、まわりの方々に最後の気持ちを伝えてみませんか。

 

弊事務所では、「遺言書作成のミカタ」という遺言書添削のHPをご用意しております。

遺言書作成のミカタ http://igonsho-mikata.jp

こちらのサイトでは、ご自身で作成された遺言書を画像でお送りいただければ、添削やアドバイスを致します。ご家族や親しい方のために遺言書を残そう!と取り組みはじめたお気持ちを法律的に有効なものにするために、間違いのない自筆証書遺言作成のお手伝いをさせていただきます。ぜひご相談ください。

(高橋)

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司法書士・土地家屋調査士・行政書士 庄田和樹
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