事例紹介

不動産2022.03.7.権利証を破いてしまいました!

抵当権の権利証を破いてしまったら?

以前、住宅ローンを完済し、金融機関から書類が送付されてきたので、土地と建物に設定されている抵当権を消してほしいという依頼を受けました。

そこで、ご依頼されたお客様に「金融機関から送付されてきた書類を一式もってきてください。」とお伝えし、面談を行いました。

お持ちになられた書類を確認しようとしたところ、お客様が「申し訳ございません、権利証を破いてしまいました。」と仰りました。

抵当権は古い時代のもので、和紙に法務局の「登記済」という印鑑が押されているページを含め、表紙をつけて紐で綴ったものでした。

丁度、法務局の「登記済」という印鑑のあるページの和紙を誤って破いてしまったそうです。

法務局での取り扱い

このような場合について特に明確な取り扱いはなく、程度の問題だと思われます。

上記の件は特に法務局にも事前に確認せず、破れてしまったページをセロテープで留めて申請しましたが、特になにも指摘されることなく抵当権の抹消登記は受理されました。

「破いてしまった権利証で登記はできるのでしょうか。登記できないとなると抵当権はずっと消せないのでしょうか。」とすごく心配されておりましたが、抵当権の抹消登記が受理され、安心されたご様子でした。

 

 

「登記済」の印鑑がない?

一方、別なお客様から、同じく抵当権の抹消登記の依頼をうけて、抵当権者から送られてきたという権利証をお持ちになられました。

こちらの権利証も古く和紙を表紙でホチキス留めている権利証で、法務局の印鑑で全てのページに契印されているのは確認できたのですが、最も重要な法務局の「登記済」の印鑑が押してあるページがどこにもありませんでした。

法務局の「登記済」の印鑑のあるページが破れてしまい紛失してしまったのか、はたまた、当時の法務局が「登記済」という印鑑を押し忘れたのか…。今となっては、もはやわかりません。

法務局での取り扱い

この件は、法務局の印鑑で契印されているのは確認できますが、法務局の「登記済」の印鑑が押してあるページがどこにもないため、権利証として認められるのか否か判断がつかず、事前に法務局に確認したところ、権利証とは認められないという回答があったため、権利証がない場合の手続きで抵当権の抹消登記を申請致しました。

権利証がなくても大丈夫です

抵当権の抹消登記に限らず、権利証を破いてしまった・権利証がないという場合には絶対に登記ができないということはありません。権利証がない場合でも、制度の詳細な説明は割愛しますが、事前通知の方法や資格者代理人の本人確認情報を添付する方法で登記申請する方法があります。

登記手続きについてお困りでしたら一度ご相談いただければと存じます。

 (文責:佐々木)

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