事例紹介

登記2016.03.16.中間省略登記について

【新しい中間省略登記とは】

中間省略登記とは、例えば、不動産がA→B→Cと順次売買された場合に登記をA→Cに直接移転し、Bが負担する登録免許税や不動産取得税を負担せずに済ませるという、一種の不動産流通コスト削減手法です。
平成16年に新不動産登記法が施行されたことで、それまでの中間省略登記の手法は使えなくなりましたが、新しい中間省略登記の方法が認められています。基本的な事はご存知の方が多いと思いますので、よくある質問について取り上げていきたいと思います。

 

 


 

どのような場合に、なんの目的で利用するのか

1.仲介よりも大きな利益を得たい場合・・・当然のことながら自分で買い取って販売すれば得られる利益に上限はありません。単純に転売する場合だけでなく、リフォームやリノベーションをして付加価値をつけて転売する場合でも全く同じです。
2.瑕疵担保責任の回避・・・宅建業者間での売買では瑕疵担保の免責ができることを利用して、宅建業者Aと一般消費者Cの売買にあとから宅建業者Bを介在させて、瑕疵担保責任を中間のBが負うことができます。
3.新築分譲マンションの専有卸・・・専有卸の際に問題になるのは、デベロッパーAから販売業者Bが買いとり、最終取得者のCへ販売すると、登記する際には所有権移転登記をしなければならないという点です。中間省略登記を用いれば、最終取得者のC名義での所有権保存登記が可能です。
4.取りまとめ目的・・・取りまとめ専門業者Bが地権者A等からいったん自社に土地を集約し、デベロッパーCに卸す際や、大きな土地上に借家がたくさん立っているような場合の借地権の取りまとめと所有権の譲渡にも利用可能です。

 

 

デメリットは

1.違法ではないのか・・・法律上、判例上、宅建業法規則上も問題なく認められています。
2.危険ではないのか・・・一番の危険は所有権が取得できないという事態ですが、同時決済にすることで通常の決済と同程度の危険に落とせます。
3.売買代金がガラス張りになるのでは・・・契約の方式は二種類あり、「地位の譲渡」ではABC全員契約当事者になるため当然知られてしまいますが、「第三者のためにする特約」であれば知られることはありません。

 

利用するためには

可能であれば初めからスキームを組んで行うのが理想ですが、既に契約をしてしまっている場合でも利用は可能です。

 

 

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