事例紹介

相続・遺言2016.11.10.死因贈与契約のススメ

死因贈与契約とは、例えば、財産を贈りたい人が「私が死んだらこの家と敷地をあげるね」、もらう人が「うん、ありがとう!」といえば成立する契約です。贈与する人が死亡することを原因に財産が移転するため、死因贈与といいます。似たものに「遺贈」というものがあり、どちらがいいかはケースバイケースですが、遺贈については次回以降詳しくご紹介いたします。

 

死因贈与契約の最大のメリットは、生前に誰にどの財産を渡すのかを確定することができる点にあります。契約をすると、権利保全のために始期付所有権移転仮登記という登記ができます。この点、遺贈は贈る側が遺言を書き換えることで贈るのを止めることができますし、受け取る側も死亡してからでないと受け取るか否かはっきりしません。
反対に大きなデメリットは税金です。登記をする際の登録免許税は2%(相続人なら遺贈は0.4%)、不動産取得税は4%(相続人は非課税)かかります。

 

死因贈与契約をする際のポイントを挙げるとするならば以下の3つになります。
1.執行者を付けるか
2.負担付にするか
3.公正証書にするか

 

1.執行者を付けるかについて
死因贈与契約の執行者とは、その名の通り贈与した人が亡くなった後で死因贈与を執行する、つまり財産を引き渡したりする人の事です。執行者がいることで死因贈与が実現される可能性が高まります。また後述する登記手続きにおいても、相続人の関与無しで手続きができるようになります。

 

2.負担付にするかについて
死因贈与は一方的に財産を贈るだけでなく、何かしらの負担を相手にしてもらうことができます。負担の内容は、例えば、死ぬまでの自分の世話をして欲しい、贈る不動産で同居して欲しい、などが考えられます。負担は死因贈与が撤回できるか否かのキーポイント(非常に専門的なため割愛します)ですので慎重に考える必要があります。

 

3.公正証書にするかについて
死因贈与は書面で契約することは必ずしも必要ではありませんが、実務上は公正証書を作成することが多いです。何故なら、当事者である贈与者は死亡しているため、真意を確かめることが難しく、相続人と争いになってしまうからです。

 

以上一般的な死因贈与についてお話ししましたが、以下は登記手続きについての専門的な事柄になりますので、細かい登記手続きに興味がない方はブラウザバックしましょう。

 

 

 

<Q>死因贈与契約に基づいて始期付所有権移転仮登記をしていたが、実際に贈与者が死亡した場合、仮登記基づく本登記の申請人は誰になるのか。

 

<A>登記権利者は当然のことながら受贈者ですので、登記義務者が誰になるのかが問題です。

 

ケース1 死因贈与契約書で執行者が定められている場合には、その執行者が登記義務者になります。契約書が公正証書の場合は問題ありませんが、私文書の場合は、契約書に押印した贈与者の印鑑証明書が必要になります。
ケース2 死因贈与契約書に執行者が決められていない場合には、贈与者の相続人全員が登記義務者になります。しかし、相続人全員の協力が得られないこともあります。その場合は家庭裁判所に死因贈与執行者を選任の申立をすることになります。

 

総括 死因贈与契約はできる限り専門家に依頼し、公正証書に基づき作成することをお勧めいたします。

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