事例紹介

相続・遺言2016.11.8.相続放棄 | 相続の開始を知ってから3か月以内とは?

相続財産には、不動産・預貯金などプラスの財産ばかりでなく、借金・買掛金などのマイナスの財産も含まれます。そのため、プラスの財産がほとんどなく、多額の借金などのマイナスの財産だけが残ってしまう、という場合に、相続人には「相続放棄」という手続きが認められています。相続放棄をすることで、その者ははじめから相続人とならなかったものとみなされます。そして、相続財産は放棄をしなかった相続人に承継されます。放棄をした者に子があっても代襲相続は生じません。

プラスの財産が多いのか、債務が多いのか容易に判明しない場合には、限定承認という選択肢もあります。限定承認とは、相続人が一応相続を承認しますが、相続によって得たプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐというものです。

相続の放棄をしようとする者は、自己のために相続の開始があったことを知った日から3

か月以内にその旨を家庭裁判所に申述しなければなりません。他の相続人に対して放棄の意思表示をしただけでは相続の放棄にはなりません。3か月以内に放棄も限定承認のしないと相続を単純承認したものとみなされ、一旦みなされると、もはや相続の放棄はできません。

 

誤解しやすい相続放棄の申述期間「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続放棄をしなければならない」の意味ですが、これは亡くなったことを知った日ではありません。

「死亡日」から3か月以内ではなく、相続人以外の人にとっては「死亡したことを知った日」から3か月以内でもない。つまり(本来の相続人以外の人にとっては)自分に相続権がまわってきたことを知った日、亡くなったことを知り、先順位の相続人が全員相続放棄をして受理されたという事実を知ってから、3か月以内ということです。

 

例えば、Aさんが亡くなり、奥さんと子ども2人が相続人になったが、相続放棄をした場合、

Aさんのご両親BとCが健在であれば、奥さんと子ども達の相続放棄が受理されたことをBとCが「知った日」からBとCは相続人になります。2人とも他界していない場合はAさんの兄弟姉妹が相続人になります。

 

この「死亡したことを知った日」は判断が難しいこともあります。既に3か月が経過してしまっていても、考慮すべき事情があれば裁判所は放棄を認めてくれる可能性は十分にあります。あきらめる前に司法書士へご相談ください。

-----------------------------------------
司法書士法人・土地家屋調査士法人・行政書士 神楽坂法務合同事務所
代表 庄田 和樹
東京都新宿区神楽坂4丁目1番1号  オザワビル6階
TEL03-5946-8698 FAX03-5946-8699

相続や遺言、不動産についてのご相談やお問い合わせはこちらから

お問い合わせフォームへ