相続・遺言2018.05.25.遺産整理(6)
遺産整理6回目の今回は、6.遺産分割協議書の作成です。
1.遺品の整理
2.相続人の調査
3.遺言の調査
4.遺産の調査
5.遺産目録の作成
6.遺産分割協議書の作成
7.不動産の名義変更
8.預貯金の相続手続き
9.株式や投資信託、公社債の相続手続き
10.生命保険金、給付金の請求
11.相続税を申告する税理士の手配
12.遺産を売却する場合にはその手配
13.各相続人への遺産の分配
今回は、遺産分割協議書を作成する前に、遺産分割協議を行うことについて触れたいと思います。
遺産分割協議
遺言書が存在しない場合には、相続人全員で相続財産の分け方を決めます。これを遺産分割協議といいます。遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。未成年者や認知症になった人も相続人であるなら関与します。
<未成年が相続人の場合>
相続人で未成年者がいる場合には、親権者や未成年後見人が代理人となります。しかし、親権者も相続人である場合には、「利益相反行為」といって、法律上代理が認められていません。利益相反行為とは、一方の利益が生じると、自身が代理した他方に不利益が生じる行為をいいます。
例えば、未成年者の父が亡くなった場合、法定相続人が未成年者と母だとすると、母の相続分が増えれば未成年者の相続分が減るという利益相反が生じるため、母は代理人として手続きすることができません。
この場合、未成年者のために親以外の代理人である「特別代理人」選任し、選任された特別代理人が未成年者にかわって遺産分割に参加します。特別代理人とは家庭裁判所にて選任され、代理が必要な行為を本人のかわりに行います。特別代理人は相続に関係がない者であればだれでもなることが可能です。
<判断能力を欠く人が相続人の場合>
相続人で認知症になり判断能力を欠くものがいる場合には、「成年後見制度」をつかって成年後見人をたて、その代理人とともに遺産分割協議をしなければなりません。
成年後見人は、遺産分割では、判断能力を欠く人の代わり協議に参加します。
しかし、成年後見人も相続人であった場合、利益相反の問題が生じます。後見監督人が選任されている場合には、後見監督人が遺産分割協議に参加します。
<行方不明の場合>
相続人の中に行方不明者がいる場合、その人について不在者財産管理人を選任します。
選任された不在者財産管理人が家庭裁判所の許可を得て、不在者の代わりに遺産分割協議に参加します。
相続人のうち、1人でも協議に参加しない人がいる場合には、その協議は無効になります。
協議が難しい場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申立てましょう。
遺産分割は以下のような方法があります。
1.現物分割
家と土地は妻、預金は長男、株式は次男といったように遺産を現物のまま分割する
2.代償分割
妻が不動産を相続する代償として、他の相続人に代償金を支払う。
3.換価分割
土地や家などの不動産を売却し、その代金を分割する
4.共有分割
遺産分割協議や法定相続分に応じて共有する
相続人それぞれが納得して協議がまとまれば、それぞれの希望により分割することもできますが、相続税の申告が必要な場合には、税理士への相談することをおすすめします。
次回は遺産分割協議書の書き方について確認します。
(高橋)
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