不動産2015.11.16.自宅売却用信託について
【相談事例】
高齢の父親の世話をしている一人娘のAさんは、自身でローンを組み高齢者サービス付きマンションを購入し、同居する予定である。転居後は誰も住まなくなった父親名義の実家の売却をしたい。しかし、父親の判断能力がいつまであるか不安なため悩んでいた。
複数の提案
本件についてはいくつかのスキームが考えられる。
■プラン1 『相続時精算課税制度を利用し、Aに贈与する。』
デメリット・・・税務コスト(登録免許税、不動産取得税、売却時には譲渡益課税)
■プラン2 『父親が判断能力を失った時点で成年後見人の申し立てをする。』
デメリット・・・自宅の売却には家庭裁判所の許可が必要、後見人の費用。
■プラン3 『事前に父親に任意成年後見人を付けておく。』
デメリット・・・判断能力を失うと後見監督人が付き、売却がうまくいかない可能性がある。
信託を活用した売却の提案
■プラン4
実家を、委託者父親、受託者A、受益者父親で信託して、売却後に信託を終了し、売却代金の贈与を受ける。
その際に相続時精算課税制度を使う。
※本件では信託の対象は、土地とその上の建物であったが、土地を更地で信託し、受託者が借入して建物を建てるといったことも可能であり、高齢化の進む日本では今後活用が増えるものと思われる。
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