事例紹介

お知らせ2026.06.15.外国人を雇うことになったら何をする?法令上の義務と注意点(後編)

はじめに

前編では主に在留資格と就労可能かどうかの確認について解説しました。今回は日本人の労働者とは異なる届出義務などについて解説します。

外国人雇用状況の届出(雇用対策法第28条)

外国人労働者は正社員・アルバイトを問わず、採用時・離職時ともに公共職業安定所(ハローワーク)への届出が義務付けられています。雇用保険の被保険者であれば「資格取得届・喪失届」の備考欄に国籍・在留資格等を記入し、非該当者(短時間アルバイト等)は「外国人雇用状況通知書」を提出します。届出を怠ったり虚偽の届出をした場合、30万円以下の罰金が科されます。

所属機関による届出(入管法第19条の17)

就労の在留資格で在留する外国人を受け入れている所属機関は、中長期滞在者の受け入れを開始または終了した場合に、地方入国管理局に届け出る必要があります。ただし、この届出は雇用対策法第28条によるハローワークへの届出を行っていれば、改めて入管局に届け出る必要はありません。また、就労に制限のない永住者などはこの届出が不要です。

規定上は努力義務ですが、届出を行わなかった場合、所属する外国人の在留期間更新等の許可申請時の審査が厳しくなる場合もあります。なお、特定技能の受入機関(特定技能所属機関)のみ、この届出が義務規定となります(入管法第19条の18)。

外国人本人による届出義務(入管法第19条の16)

所属機関による届出とは別に、外国人本人による届出も必要で、こちらは努力義務ではなく、義務規定です。窓口での提出も可能ですが、オンライン・郵送での提出も受け付けているので入管の事務所に行く必要はありません。届出が必要な事項は就職などに伴う離脱・所属だけでなく、現所属先の所在地移転、名称変更、消滅も含まれます。

この届出には不履行に対する罰則規定があります。直接、罰金を課されたという話はあまり聞かないものの、届出がされていないことを理由に、3年の許可が1年になる場合や永住許可が不許可になる場合もあります。義務を課されているのは雇用主・会社側ではなく外国人本人ですが、想定されている期間より短い許可になるのは会社にとっても不利益になりますので、雇用時に実施しているかを確認することをおすすめします。

余談ですが、19条の17の届出は永住者、定住者や配偶者ビザ(「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」)は適用除外となっていますが、19条の16は配偶者ビザにも適用があります。ただし配偶者との離婚・死別の際にのみ届出が必要で、離職・雇用時の届出が不要です。

その他の法令などの適用

労働基準法、労働保険・社会保険に関する法令は原則日本人・外国人の区別はありません。外国人本人から日本に長期間滞在するつもりはないから社会保険に加入したくないという申出があったとしても、法律上の加入義務がある場合には免除されないので、注意しましょう。法令上の義務が果たされていないと、労働法上の罰則が適用されるだけでなく、各種在留申請が労働法違反を理由に不許可になる場合もあります。

終わりに

外国人を雇用する際は、日本人を雇用する時とは異なる届出があります。基本的には雇用保険の手続きをする際に同時に済ませられますが、雇用保険に加入しない場合は注意が必要です。また労働法や社会保険法は外国人にも日本人と同じように適用されます。労務管理は法律の基準にのっとって適切に行われていないと、在留期間更新などが認められない場合もあるので、専門家の助言を受けて適切に実施することが大切です。お困りの際は是非専門家にご相談ください。

(文責:安住)

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