お知らせ2026.02.16.意外と奥深い乙区抹消 ~破産手続を終了した法人が不動産を保有している場合~

はじめに
会社について破産手続開始決定がされ、その後、破産手続の終結の登記、同時破産廃止の登記又は異時破産廃止の登記がされたとき、登記官は、登記記録を閉鎖しなければなりません(商登規則117条3項)。
また、破産手続が終了すると法人格は消滅します(破産法35条)。
よって、会社の登記事項証明書のみを見た場合、この会社は破産によって法人格が
消滅しているように見えます。
破産終了後も法人格が存続する場合
しかし、破産手続が終了していても、財団放棄等により、残余財産が残っている場合、会社の法人格は消滅しません(昭和43年3月15日判決最高裁判所第2小法廷判決/昭和42年(オ)第124号)。法人格を消滅させるためには、清算人を選任して、残余財産の分配をし、清算結了の登記をする必要があります。
上記のような事情により、破産手続終了により会社の謄本が閉鎖されていたとしても
実体上、会社は清算会社として存続している場合があり得ます。
乙区に担保権が残っている場合の問題
ここからは、不動産の登記事項証明書や登記情報を取得して、乙区に担保権が設定されており、かつ、設定会社が破産しており、破産手続が終了し、会社の謄本が閉鎖されている場合にどのような手続きで、乙区の担保権を抹消していくのか解説していきます。
実務上の手続の流れ
破産手続きが終了した日付により、旧商法適用なのか、会社法適用なのかの論点はありますが、共通部分としては、清算人(代表清算人)の就任登記を申請し、前記、登記申請手続きが完了すると、法務局が職権で閉鎖された会社登記簿が復活します。
その後、代表清算人から抹消登記の委任状を取得し、乙区抹消登記手続を進めていることになります。
清算人選任に関する注意点
注意点としては、最判判例(昭和四三・三・一五民集二二・三・六二五)により、従前の取締役が当然に清算人となるわけではなく、会社法478条1項②又は③により、清算人を選任する必要があり、定款の規定がない、株主が不明等の場合においては、会社法478条2項の規定により、利害関係人からの申し立てにより、裁判所が清算人を選任する
必要があることです。
手続の負担と実務的な所感
会社が抹消登記の当事者である場合、破産や清算結了が絡む場合ですと、通常の手続き以上の論点と労力、費用負担が発生します。
それは、お客様にとってもそうで、マニアックな法律手続きになれていないお客様としては、より負担を感じるものだと思われます。
実感として上記のような案件はレアケースだと思います。であればこそ、体験したことがある身としては、他の士業の先生方にも参考になり、その結果お客様とのスムーズな手続きが実現すればいいと感じ、コラムを書かせていただきました。
(文責:桑山)
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