事例紹介

事例紹介2024.08.1.相続人が外国籍で母国の戸籍証明書に不備がある場合

はじめに

相続人に外国籍の方がいる場合でも、亡くなった方が日本人であれば、日本の相続法が適用されるので、相続人が日本人のみである場合と同様に権利義務が発生します。相続人を確定する為には戸籍等を集める必要がありますが、外国籍の方の場合、書類の収集の仕方に少し違いがあります。

「日本方式の婚姻」

日本人が外国の方と結婚する場合、一般的に日本の戸籍届出窓口に婚姻届を提出します。

両当事者に婚姻の要件が備わっていると認められ、届出が受理されると、有効な婚姻が成立します。このようにして成立する婚姻を「日本方式の婚姻」といいます。届出が受理されると、日本人である方が戸籍筆頭者である戸籍が作られ、配偶者の欄に相手の名前が記載されます。

しかし、婚姻関係が成立しても配偶者である外国籍の方が日本の戸籍を得る訳ではありません。日本人配偶者の戸籍に婚姻した事実(配偶者の氏名、生年月日、国籍)が記載されるのみです。そのため日本人配偶者が亡くなると、相続人である外国籍の方は、自身の国の国籍証明書、またはそれにあたるものを用意しなければなりません。

事例

当所でもご依頼いただいたお客様で、亡くなった方の配偶者で外国籍の方がいらっしゃいました。自身の国の国籍証明書を取得したところ、自身の国では婚姻の事実がありませんでした。実は、この様に日本では婚姻届出を行ったが母国では届出をしていなかったというのはよくあるのです。そういった場合には、別の書類で不足情報を補填をする必要があります。

今回は外国人登録原票と婚姻届書記載事項証明書を補填資料として取得しました。外国人登録原票には、必ずしも記載されているわけではないものの、家族事項に記載がある場合があります。こればかりは取ってみないと分かりません。さらに相続人全員から上申書をもらい、これでやっと相続人本人で間違いない事を証明する補填資料が揃い、無事登記が通りました。

おわりに

日本の戸籍謄本等を集めるのに比べると、外国籍の場合は書類が揃うまでに時間が掛かることがほとんどです。自分で揃えるにはかなり大変な作業ですので、相続人に外国籍の方がいる場合は、相続の専門家へご相談いただくことをおすすめします。

ぜひ私ども司法書士法人神楽坂法務合同事務所へご相談ください。

(文責:松井)

-----------------------------------------
司法書士法人・土地家屋調査士法人・行政書士 神楽坂法務合同事務所
代表 庄田 和樹
東京都新宿区神楽坂4丁目1番1号  オザワビル6階
TEL03-5946-8698 FAX03-5946-8699

相続や遺言、不動産についてのご相談やお問い合わせはこちらから

お問い合わせフォームへ