事例紹介

事例紹介2022.09.22.新民法第252条改正について

~共有物の管理~

令和3年度の民法改正について、共有物を使用する共有者がいる場合における管理に関する事項の決定に関して、どのような改正をしているのかをご紹介します。

 

【改正前】

共有物の管理に関する事項は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。

 

【改正後】

1 共有物の管理に関する事項は(次条第1項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第1項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。

 

2 裁判所は、次の各号に掲げるときは、当該各号に規定する他の共有者以外の共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。

一 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。

二 共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、当該他の共有者がその期間内に賛否を明らかにしないとき。

 

3 前2項の規定による決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

 

4 共有者は、前3項の規定により、共有物に、次の各号に掲げる賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(以下この項において「賃借権等」という。)であって、当該各号に定める期間を超えないものを設定することができる。

一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃借権等 10年

二 前号に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等 5年

三 建物の賃借権等 3年

四 動産の賃借権等 6箇月

 

5 各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。

解説

1項後段は新たに追加されました。その内容は、(共有者による協議や決定がなく)共有物を使用する共有者がいる場合でも、通常の管理行為として扱う、つまり持分の過半数で決定できるというルールです。

改正前では、共有物を使用している共有者がいる場合、その者の利益を奪うのは相当ではないと考えられるため、共有物の管理に関する事項の定めをするについて、共有者全員の同意得るべきではないかという見解が主張されていました。

 

2項では、共有者に代わって裁判所が管理行為の決定(裁判)をする制度が新設されました。共有者やその所在が不明である場合に加え、共有者に意見を催告したが反応がない、というときにも適用されます。

改正前は、所在不明のため決定できない問題を解決する方法はありませんでしたが、2項の新設がこの問題を解決しました。

 

3項は、一度共有者として決定した使用方法を変更するということについて、原則として管理行為としつつ、特別の影響が及ぶ共有者の承諾を要する、という新設の規定です。改正前から、この問題についてのいろいろな解釈がありました。3項として新設された規定の内容は、従前の解釈とまったく同じではないけれど、実質的にはとても近いと思えます。

 

4項は、一定の期間を超えない賃貸借と使用貸借の契約締結(権利設定)について、管理行為に分類されることを規定しました。

 

上記の通り1項が変更され、2〜5項が新設されたことが分かります。

以上、新民法のご紹介でした。

 

文責:松井

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