不動産2022.07.11.マンション建て替え中取壊し後に相続が発生した場合の相続登記
前書き
今回は非常にマニアックな登記について解説していきたいと思います。
マンションの建て替え事業は、「マンションの建替え等に関する法律」、通称マンション円滑化法によってかなり要件が緩和され、大規模な建て替え事業が都内で相次いでいます。
建て替え事業は10年以上かかることも多く、その間に所有者に相続が発生することもあります。
どこまで事業が進んでいるかによってなすべき登記は変わってきますが、建物を取壊して登記簿が閉鎖されている場合はどうすればいいかお話しします。
マンション建て替え事業の流れ
マンション建て替えの大まかな流れは以下の通りです。
建替えの検討→合意形成→建替え決議(3/4以上の同意)→建替え組合の設立→権利変換計画の策定・認可→権利変換の登記→明け渡し→取り壊し・滅失登記・敷地権抹消登記→建て替え完了→新築登記→建替え組合解散
このうちの取り壊し・滅失登記・敷地権抹消登記が終わった時点で相続が発生してしまうとどうなるのでしょうか。登記簿は既に閉鎖されているので、普通には相続登記が申請できません。
相続登記の手続き
結論から言うと、共有になっている土地の登記簿に対して相続登記をすると新築する建物の登記は自動的に相続人の名義になります。
通常、区分マンションの敷地は敷地権という権利になっており、個別に所有者の登記をすることができません。
しかし、建て替え中は敷地権が抹消され、一時的に建物所有者全員の共有状態となっています。
数百、場合によっては数千人の共有状態ですので、それはもう所有者の名前を探すだけで大変です。
更に、土地が数十筆に分かれていることもありますので、登記簿を取得するだけで大変なコストになります。
また、それとは別に組合に対しては相続が発生したことを報告する必要があります。
文責:庄田
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