事例紹介

商業登記2022.06.28.会社の支店所在地における登記の廃止

はじめに

令和元年改正会社法において、会社の支店所在地における登記に関する規定が廃止されました。

支店の登記制度とは

支店所在地における登記の制度というのは、会社の支店のみと取引する者が、会社の本店の所在場所を正確に把握できない場合があり得ることを前提として、会社の支店所在地を管轄する登記所において検索をすることにより会社の本店を調査することができる仕組みを構築する必要があったため存在しました。

しかし、インターネットが普及した現在においては、インターネットで検索すれば容易に、会社の本店を調査することができるのであり、また、登記情報提供サービスを利用して会社の本店を調査することも出来るようになっているため、登記申請義務を負う会社の負担軽減のなどの観点から、会社の支店所在地における登記は今回の改正で廃止されました。

このコラムをご覧の皆様におかれましても、そもそも、会社の支店所在地における登記事項証明書をご覧になったことがない方も多いと思われます。この文章を書いている私も、振り返ってみますと、登記情報提供サービスで会社の支店所在地における登記を確認したことはありますが、会社の支店所在地における登記事項証明書を取得したことは数えるくらいしかありません。実際に会社の支店所在地における登記事項証明書の交付請求がされる例はほとんどないそうです。

 

 

支店登記における注意点

ここで、勘違いしてはいけないのは、あくまでも支店所在地における登記が廃止されたのであり、令和元年改正会社法施行後においても、本店所在地における「支店の所在場所」の登記については、引き続き登記事項であるということです。

つまり、会社が支店を設けた場合は、本店所在地において、その登記をする必要がありますし、会社が支店を移転した場合も、当然、本店所在地においてその登記をする必要があります。

会社の支店所在地における登記の廃止の施行日は令和4年9月1日です。

実務上、会社において支店を登記しているが、支店を廃止している、あるいは、支店の移転をした等の事由があるのにもかかわらずその登記をしていない事例を多く見かけます。

この改正を機に、一度会社の支店の登記事項を確認してみてはいかがでしょうか。ご不明な点がございましたら弊所までご相談ください。

 

参考文献

竹林俊憲 編著 『一問一答 令和元年改正会社法』(商事法務、2020年) 246頁~248頁

(文責:佐々木)

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