事例紹介

事例紹介2018.10.25.②韓国籍(在日)の方の遺言について

 

少し時間が空いてしまいましたが、前回の続きです。

 

遺言制度

遺言については大筋では日本と同じですが、録音による遺言という制度があり、とても使い勝手のいい制度であると思います。録音だけでなく録画でも音声が入っていればより意思が明確になるので有効とされています。

ただし、これが日本の登記手続きで使用できるか否かはかなり難しい問題であり、一概には言えないため、本件では利用はしないものとします。

 

 

遺言による準拠法の選択

ここからがメインです。

 

韓国国際私法49条2項

「被相続人が遺言に適用される方式により、明示的に次の各号の法律のいずれかを選択するときは、相続は、第1項の規定に関わらず、その法による」

①「指定当時の被相続人の常居所がある国家の法。ただしその指定は被相続人が死亡時までその国家に常居所を維持した場合に限り、その効力を有する」

②「不動産に関する相続に関しては、その不動産の所在地法」

 

以上の規定が2001年に制定されました。

この規定により、在日韓国人の方に遺言作成を依頼された際は、その趣旨を十分に説明した上で、日本の公証役場で公正証書遺言を作成してもらうことが可能になりました。

遺言の中で相続準拠法を日本法に指定してもらうことで、日本での相続の手続きは大分やりやすくなり、費用も抑えられます。

日本では不動産を相続人に遺言で渡す場合、「~に相続させる」という文言が使われますが、これは遺産分割方法の指定であると解され、法定相続分を超える場合には相続分の指定を伴うものと考えられます。しかし、韓国民法には相続分の指定に関する規定はないため、争いになったり、登記申請が受理されない可能性があります。

 

終わりに

全体として、日本よりも先進的である印象を受けます。日本も見習うべき点が多々あります。しかし、日本にいる以上、利便性やその他利点を考えると、遺言による準拠法の選択で日本法によることが現状では一番であると考えます。

文責:庄田

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