事例紹介

その他2017.03.31.お墓をうつしたいとき

「暑さ寒さも彼岸まで」と言われているにもかかわらず、今年はまだまだ寒い日が続き、桜の開花もゆっくりですね。先日の春分の日をはさんだお彼岸には、ご先祖様のお墓参りに行った方も多くいらっしゃるかと思います。

 

お彼岸とは、春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせて計7日間のことをいい、この期間に行う仏事を彼岸会といいます。

このお彼岸、仏教と共にインドや中国から伝来したものかと思っていましたが、実は日本独自のものだそうです。806年(大同元年)祟道天皇(早良親王)のため行われた法要が日本の歴史上、最初の「彼岸会」だそうです。諸国の国分寺の僧に命じて「七日金剛般若経を読まわしむ」と「日本後紀」に記述があります。

天皇の詔として始められた行事でありましたが、いつの間にか生を終えていった祖先を供養する行事として定着したようです。

 

お墓が家の近くにあればいいのですが、遠く離れて暮らしているとお墓参りをするのは大変です。知人は、父・母・兄弟がみんな東京に住んでいるのに、祖父母の墓は九州にあるので、父親が亡くなったことをきっかけにお墓を引っ越したと言っていました。

お墓を世話する人が高齢になり子どもがいないなどの場合には、維持・管理が大変なので新しい場所にうつしたい、という要望もよく耳にします。そこで今回はお墓を移す(改葬)手続きの流れについて確認したいと思います。

 

1.受入証明書(使用許可書)の交付

まずはじめに、新しいお墓を用意し、新しいお墓の管理者から「受入証明書(墓地の使用許可証)」を交付してもらいます。

 

2.改葬許可申請書の入手

次に、現在のお墓がある市区町村役場で「改葬許可申請書」を受け取り、必要事項を書き込みます。書類は市区町村のホームページからもダウンロードできる場合もあります。

 

3.埋蔵証明書に記名押印をもらう

次に、現在のお墓の管理者に埋葬証明書を発行してもらいます。改葬許可申請書と一体になっている場合もありますので、記入押印してもらいます。指定の用紙がない場合には以下の内容を記入してもらう必要があります。

  • 墓地使用者の署名、捺印
  • 墓地管理者の署名、捺印
  • 遺骨の氏名
  • 証明書発行年月日

 

4.改葬許可書の交付

「埋蔵証明書」に記名押印してもらったら、「改葬許可申請書」、「受入証明書」とともに現在のお墓のある市区町村役場に提出し、「改葬許可書」を交付してもらいます。

 

5.「改葬許可書」の提出

現在のお墓のある市区町村役場で交付してもらった「改葬許可書」を新しいお墓の管理者に提出すれば手続きは完了です。新しい墓地への納骨しましょう。

 

改葬を行う場合には、新旧の墓地管理者との交渉や手続きだけでなく、市区町村役場での手続きも必要です。墓地埋蔵法の第五条では、「埋葬、火葬又は改葬を行おうとするものは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない」とうたわれています。亡くなったときにもらった埋葬許可証と同様に改葬許可証が必要なんですね。

 

円滑に手続きをすすめるため、現在のお墓の管理者には誠意をもって改葬の理由を説明し、いままでのお世話になった感謝の気持ちを伝えましょう。また親族ともトラブルにならないよう、事前によく話し合うことが大切です。みんなが満足のいくお引越しになることが亡くなった方への供養にもなることでしょう。

(文責:高橋)

 

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