事例紹介

その他2017.01.10.本籍地とは

2017年も明け、新しい年を迎えました。お正月という1年のスタートを記念日に婚姻届を提出された方もいらっしゃるかと思います。戸籍は夫婦と未婚の子どもをひとつの単位にして作られているので、婚姻すると新たに戸籍を作ることになります。

また、配偶者がいなくても成人すれば、「分籍」して新しい戸籍を作ることができます。分籍とは、今までの戸籍から分かれて一人で新しい戸籍を作ることです。筆頭者とその配偶者以外で20歳以上の人であれば分籍することができます(注意しなければいけないのは、一度分籍すると元の親の戸籍に戻ることはできません)。

そういった新たに戸籍をつくるときに「本籍」はどうやって決めるのか、と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

新しく戸籍を作る際に決める本籍とは「本籍地」と呼ばれている戸籍の所在場所のことです。本籍とは戸籍を管理するためのもので、本籍地のある市町村がその戸籍を管理しています。

どこを本籍地にするのかについては、決まりごとがあるような気がしますが、特にはありません。親の本籍地と同じにしなければいけないとか、住所と同じにしなければならない等の決まりはなく、日本全国、地番が存在するところならどこでも好きなところが選べます。「皇居」や「国会議事堂」「東京ディズニーランド」などのように住む可能性のない場所であってもかまいません。本籍の人気スポットは下記の通りです。

<著名な場所に本籍を置く人数(ウィキペディア参照)>

  1. 皇居:千代田区千代田1-1-1 (約2100人-平成16年時点)
  2. 大阪城:大阪府大阪市中央区大阪城1番(800人-平成22年8月27日時点)
  3. 阪神甲子園:兵庫県西宮市甲子園町1番(699人-平成23年10月26日時点)
  4. 沖ノ鳥島:東京都小笠原村沖ノ鳥島(約210人-平成22年11月30日時点)
  5. 北方領土:特価移動色丹郡色丹村ほか(132人-平成22年11月30日時点)

 

そして、本籍は自由に変更することができます。これを「転籍」といいます。手続きは新本籍地(新しく本籍にする自治体)か旧本籍地(現在の本籍地の自治体)、または現住所の自治体に「転籍届」を提出します。また、入籍・就籍による場合は、新たに入る戸籍の本籍地が本籍地となります。

 

 

本籍地を変えるメリット・デメリットとしては以下のことが考えられます。

<メリット>

戸籍謄本を取得する役所が近くなり便利である

本籍を現在の住所近くにすることで、入学や就職・パスポートの申請などで戸籍を取り寄せる手間がかからず、簡単に戸籍をとることができます。

離婚歴や知られたくない情報が転記されない

転籍先では、現在の身分のみ記載されるので、過去に離婚した場合には新しい自治体に本籍地を移すことにより移記されないことになっています。ただし、除籍は80年間保存されるので、変更履歴をたどればわかります。

<デメリット>

転籍は家族単位しかできない

転籍は家族単位でしかできず、「一人だけ転籍」することはできません。両親の戸籍に入っている人は分籍しなくてはいけませんし、既婚者なら配偶者や子どもと一緒に転籍しなくてはいけません。

何度も転籍をすると、相続の時に謄本を集めるのが大変

人が亡くなった場合、相続の手続き上、亡くなった人の生まれてから死ぬまでの戸籍が必要となります。違う市町村に転籍を繰り返すと除籍謄本が積み重なっていき、その全てを取ることになります。つまり、転籍をした分、相続人が取得しなければならない謄本が増え、取得の手間や金額がかかるというのが、大きなデメリットです。

 

本籍地を変更すると戸籍を取得しやすいメリットはありますが、繰り返すと亡くなった後が大変です。「とりあえず変えてみようか」といった安易に行うことはせず、家族になる人とよく話し合ってから決めるとよいでしょう。

 

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