事例紹介

事例紹介2017.05.12.外国財産についての遺言書

日本人で海外に不動産を持っている方は割合としてはそれほど多くは無いと思いますが、持っている方はほぼ富裕層でしょう。そうなると問題となるのが、相続です。

遺言を書かずに亡くなることは論外ですが、相続対策として遺言を書く際、何も考えずに「全財産を法定相続分で相続させる~」とすると、その遺言では海外の財産の相続手続きが出来ないことがあります。

 

 

遺言の準拠法(どこの法律に基づくか)は「遺言の成立および効力は、その成立の当時における遺言者の本国法による。」と規定されています。つまり、日本人が日本で海外の不動産について遺言をする際の、基準となる法律は日本の民法になるということです。

問題は、実際に不動産がある国での登記手続き等は、結局その国の法律に従う必要があるということです。

その国、例えばオーストラリアとしますが、オーストラリアでは相続分割主義といって、不動産については、日本人が所有者でもオーストラリアの法律に従うことになります。日本人が日本で有効な遺言を作成していたとしても、オーストラリアに所有している物件については遺言の効力が及ばないことがあるということになります。

 

 

ではどうすればいいのかといえば、その不動産の所在国で有効な遺言を作るしかありません。可能であれば現地で相続手続きをしてくれる手配までしておいたほうがいいでしょう。

日本でいえば遺言執行者になります。

もちろん、日本で作った遺言がそのまま有効で、わざわざ手間暇とお金をかけて外国で遺言を作る必要がないこともあります。

 

 

海外財産についての遺言などを総称して渉外相続や渉外遺言などといったりします。専門家でも判断に迷うこともある難解な問題もありますので、時間にゆとりをもって、まずはご相談ください。

(文責:庄田)

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