事例紹介

相続・遺言2017.02.16.遺品整理業者に依頼するときに気をつけること

大切な方が亡くなり、急ぎの手続き等が一段落したところで、残された家財などを処分・整理する「遺品整理」にとりかかることと思います。残された家族の方が高齢だったり、遠くに住んでいて何度も足を運ぶのが大変だったりすると、業者が必要になってきますが、近年、遺品整理業者とのトラブルが急増しているそうです。需要の伸びとともに新たに参入する業者も増えており、全国で1万を超すといわれていますが、このような業者の中には悪質な業者もあります。以下は消費者センター等に寄せられている主なトラブルです。

 

  • <高額請求>

「見積は安かったのに、作業後に理由をつけて追加費用を請求された」「見積では1日で20万円といわれたのに、実際は3日かかって50万円請求された」「見積をキャンセルしたら2割のキャンセル料が発生するといわれた」

→複数の業者から見積もりをとり、内容や金額を比較しましょう。キャンセル料が発生する時期もあらかじめ確認したほうがよいでしょう。安すぎる見積もりもご用心。「遺品整理一式いくら」という大雑把な見積もりは危ないです。作業人数や廃棄する家具類の分量などが具体的にかかれているか確認してください。家の広さや家財量などでだいたいの相場があるそうです。

 

  • <不当な買取>

価値のある遺品を市場価格よりも低い価格で買取されるケースがあります。

→売却する前にご自身で相場を確認しましょう。オークファンという過去にネットで販売された落札価格がわかるものがあります。

 

  • <不正な投棄・無断で売買>

遺品や家財の廃棄や処分をするための処分代を請求されたにもかかわらず、業者が処分費を抑えるため不法投棄を行うこともあります。不法投棄で発見された物の中に個人の身元が特定できるものがあれば、警察からまず遺品の所有者であった故人の方に連絡がきます。故人はなくなっているので、家族の方が対応することになります。

また、処分を依頼したはずの遺品が無断でリサイクルショップやネットオークションで売られているといった苦情も寄せられています。

→家庭の破棄物を回収・処分するには、市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可または委託が必要です。許可や処分方法についてきちんと説明できない業者は避けましょう。

 

  • <高価な貴金属や現金を無断で回収>

故人の遺品の中には家族の方が知らない貴金属や骨董品、現金などのへそくりがあることもあります。これらのものがあることを知らず、業者がみつけて無断で回収し売却しているというケースもあるそうです。

→作業員が会社の制服を着用しているかをチェックしてください。私服では現金をポケットに隠しても誰のお金かわからなくなってしまいます。私服で作業する事業者はできれば避けた方がいいでしょう。

また、業者に依頼する前に高価なものがないか確認し、作業中は業者に立ち会うようにしましょう。

 

  • その他、乱暴な作業による遺品の破損・遺品として残しておきたいものを処分されたなどのトラブルもあります。

 

以上のような点に注意しながら、複数の業者を比較検討してお願いしましょう。万が一、業者とトラブルになった場合には消費センターなどの専門家に相談しましょう。

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司法書士法人・土地家屋調査士法人・行政書士 神楽坂法務合同事務所
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