事例紹介

事例紹介2018.12.12.実質的支配者となるべき者の申告書

平成30年11月30日から、定款認証の申請に際し、設立する法人の実質的支配者につき、報告書等を提出して報告することが必要になりました。

 

暴力団及び国際テロリストによる法人の不正使用を抑止するために実施する処置です。

 

簡単に言うと、公証人に定款認証してもらう際に、実質的支配者となるべき者の申告書を作成し、実質的支配者にあたる人の身分証明書等を提出し、実際に会社を作る人が暴力団関係の人ではありませんよ、ということを示す制度になります。

 

会社の実質的支配者は、発起人(出資者=株主)ですが、会社の登記簿には株主は載らず、実質的な支配者については誰も確認しないから設けられた制度でしょうか。

 

実質的支配者とは、

①議決権の50%以上を保有する個人  そのようなものがいない場合は、

②議決権の25%以上を保有する個人  そのようなものもいない場合は、

③事業活動に支配的な影響力を有する個人  そのようなものもいない場合は、

④代表取締役が該当することになります。

条文を見ると物凄く複雑に書いてありますが、ざっくり言うとこのような感じになります。

 

認証文言に「嘱託人は、『実質的支配者となるべき者である(氏名)は暴力団員等に該当しない。』旨申告した。」旨の文言が付記されるそうです。

 

ですが先日設立した会社の定款にはその旨は記載されていませんでした。

公証役場内での取り扱いもまだ統一されていないようです。

 

 

実際に、実質的支配者が暴力団員かテロリストだと判明した場合はどうなるか。

申告書には〇をつけるだけだし、司法書士に依頼したって素性はわからないだろう、と思って実際に暴力団員かテロリストが嘘の申告をしたらどうなるのでしょうか。

実質的支配者である旨の申告書を提出した段階で、公証役場が調査をして、暴力団員やテロリストであることが判明した場合には定款認証手続きは行われません。

この調査が必要なので、公証役場の方からは、定款の内容を確認してもらう際に、実質的支配者となるべき者の申告書も一緒に出してください、と言われました。

 

 

設立のご依頼をいただいた方に「あなたは暴力団関係者ではありませんよね?」と聞くのも如何なものかと思われるので、弊所では設立登記の委任状に【実質的支配者となるべき者である(氏名)は暴力団員等に該当しない。】旨を追記して対応していこうと考えております。

 

この制度を導入することで、暴力団及び国際テロリストによる法人の不正使用を抑止することができるかどうかはわかりませんが、暴力団及び国際テロリストが排除されたクリーンな世界になるといいですね。

(文責:角谷)

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