事例紹介2025.04.23.相続土地国庫帰属制度 ~相続土地国庫帰属制度を申請するときは負担金が必要です~
はじめに
相続土地国庫帰属制度の申請後、帰属対象と認められた場合は国に負担金を支払う必要があります。「宅地」「農地」「森林」「その他」の4種類に区分され、負担額は原則20万円と定められていますが、地目種別によって納付額が変わってきます。実際に当事務所でお手続きされている方の負担金算出表をもとに見てみます。
負担金算出方法の例
この方は合計4つの土地を所有されており、A番1とA番2の土地は隣接しており、少し離れたところにB番1とB番2の土地がありこちらも隣接していました。その場合まず、登記簿上「山林」なので区分は「森林」になります。かつ1つの土地の負担金算出方法は、森林750㎡以下の場合【面積に59円(㎡)を乗じ、210,000円を加えた額】となります。よってA番1の場合
・16㎡×59円=944円に210,000円を足すと210,944円(1000円未満切捨て)
となるので、負担金は210,000円となります。
そこで、隣接地と認められればA番1とA番2の2筆で210,000円となりますが、隣接地と認められなければ、2筆分の420,000円になるという事です。
また、法務局よりA番1とA番2は登記簿地目は「山林」、課税地目は「公衆道」となっているので、現在も使用されている道路と認められた場合は帰属の対象にならないと回答がありました。実際は人も通らないような道でしたが、このような部分が要件が厳しいと言われている内容かもしれません。
おわりに
所有していてもしかたない山林等を国へ帰属する新たな制度が出来ましたが、帰属対象地と認められるかどうか要件も厳しい部分があり、また認められても高額な負担金が発生します。山林等の管理も行いつつ固定資産税を払いつづけるか、高額な負担金を支払ってでも不要な土地を手放すかが悩みどころです。
国庫帰属の申請書類に現地の測量を行った写真も添付する必要があるので、やはり専門家が書類を作成した方が妥当ではないでしょうか。
(文責:川添)
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