事例紹介

事例紹介2022.07.25.後妻さんの企み ~遺言にまつわる騒動~

税理士さんからのご紹介で、お父様が亡くなったので遺言に基づき相続手続きをしてほしいという依頼でした。

依頼者は被相続人の息子さん、相続人は後妻、息子、娘の3名。

実は後妻さんは最初、籍は入れないという話だったのにいつの間にか入っていたとか。

 

さて、親族が集まって相続の相談をするという段になって、後妻さんが取り出したのは「遺言公正証書」。嫌な予感が漂います。

被相続人は確かに生前に公正証書遺言を作成していましたが、原本は公証役場に、正本は依頼者が保管していました。それなのに何故後妻さんが持っているのか?

案の定、遺言は書き換えられており、財産の大半が後妻さんに行くことになっていました。しかも、しっかりと遺留分は計算されている親切設計です。

 

 

何も、後妻さんが被相続人を騙したり、無理矢理に遺言を書かせたわけではなく、後妻さんを好いた被相続人が自発的に書いたものですから、裁判をしても、認知症などでなかった限り、お父様の意思ではどうしようもありません。

息子さんは怒り心頭、実家の土地建物まで後妻さんに遺贈されてしまったのですからたまったものではありません。

更に大半の生命保険も受取人が後妻さんに変更されていました。用意周到といいますか、ここまでいくと感心するばかりです。

 

最終的には、税理士さんが間に入り、相続税が払えないという理由で、後妻さんに多少の譲歩をしてもらい、遺言書とは別に遺産分割協議書を作成し、ひとまず一件落着となりました。

歳を取ってからの結婚は、もちろん素敵なことではありますが、法定相続分が変わってしまうため、家族の了承を得てからにした方がいいかもしれません。

文責:庄田

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