事例紹介

不動産2020.06.10.関東財務局所有の底地と借地権付き建物の同時売買に関する決済と登記

長いタイトルですが、最近珍しい依頼があったため、忘備録含めコラムを作成しました。

関東財務局とは財務省の下部組織であり、国の機関です。よって関東財務局が関わる土地建物の登記手続きは嘱託という特殊な方式でされることになります。

 

ケース

元々、遺産整理業務をご依頼いただいていたお客様の資産の調査をしていたところ古い家屋の権利証と借地の契約書が出てきたため、確認したところ、現地には2mの敷延の奥にボロボロの空き家があり、借地料は滞納になっていました。一応、ダメもとで売却できるか否か専門の仲介業者へ確認すると意外にも売却できるとのことで、進めてもらうことになりました。

財務局が所有者である土地(底地)と依頼者が相続した家屋と借地権をまとめて不動産業者が買い取るという流れです。財務局が登記義務者、不動産業者が登記権利者となります。また借り入れもするので、銀行の抵当権設定もあります。

 

登記の流れ

①家屋の相続登記(事前にしておきます)

②家屋の売買による所有権移転登記

③土地の売買による所有権移転登記(嘱託又は嘱託代理)

※登録免許税は買主が事前に銀行で納める特殊ルールです。

④抵当権設定登記

 

となります。

通常登記申請はオンラインでしますが、③の嘱託登記が紙の申請書のため、②~④を連件で申請するためには直接法務局に持ち込んで申請しないといけません。紙申請なんて何年もしていないため、少々緊張します。

 

決済日当日の流れ

①借入先の銀行へ集合、借地権付き建物の売買決済

②そのまま財務局へ全員で移動

③土地代金の納付、登録免許税の納付証明を渡す、嘱託書と承諾書をもらう

④法務局に行って登記申請をする

となります。

通常の決済は①で終わって、事務所に戻ってオンライン申請ですから、労力は倍以上掛かります。早くお役所もオンライン化に対応していただきたいと思います。

 

(2020.6.10文責:庄田)

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