事例紹介

その他2019.05.8.車両名義変更について

今回は、行政書士の業務の一つである自動車の名義変更についてお話したいと思います。

事業で車が必要になり社長が個人で買った車を社用車にしたい、

もしくは社用車を自家用に変更したい、という場合、

車両の譲渡に伴い名義変更が必要です(正確には「移転登録」と呼ばれます)。

陸運局に申し出ればすぐにしてくれそうなものですが、意外と手間のかかる作業です。

社長から会社への移転を例にとり、少しご紹介します。

 

陸運局に提出する書類は、

旧所有者(社長)の実印の押された委任状

旧所有者(社長)の実印の押された譲渡証明書

旧所有者(社長)の印鑑証明書(発行から3か月以内)

新所有者(法人)の実印の押された委任状

新所有者(法人)の印鑑証明書(発行から3か月以内)

議事録の写し

新所有者(法人)名義の車庫証明書(使用者も法人にする場合)

車検証原本

 

以上8点です。陸運局の管轄が変わりナンバープレートが変更になる場合は、

車に乗って陸運局に行く必要があります。提出書類にある議事録とは、

「取締役会議事録」または「株主総会議事録」のことです。

取締役と会社間の取引は利益相反取引となるので、これを承認する議事録が必要となります。

 

 

ご存知の方も多いかと思いますが、車庫証明の取得は平日に2度警察署に行く必要があり、

大変手間がかかります。車庫証明は「使用者」ベースの書類なので、

「使用者」を社長のままにしておけば車庫証明の提出を省略することができます。

「使用者」が法人であることを求められていない場合は、「使用者」を社長にしておくと良いでしょう。

 

「使用者」も法人に変更する場合、法人名義の車庫証明書の取得が必要になります。

注意したいのが「使用の本拠の位置と車庫の位置は2キロ以内」という規定です。

今回の例ですと、会社と社長の自宅と駐車場が2キロ圏内にあれば問題ないのですが、

通常は自宅近辺に駐車場を借りていて、会社とも距離が離れている場合が多いでしょう。

こういった場合は、自宅の住所宛てに発行された会社名義の公共料金の領収書が必要ですが、

自宅を会社にしていない限り難しいと思います。解決方法としては、

会社の近くに新たに駐車場を借りる、自宅を支店として登記し謄本に載せる

というものが挙げられます。このように、法人名義の車庫証明の取得は少し骨が折れます。

 

車両の譲渡が行われると、同時に自動車税事務所への税申告が必要になります。

車両の年式や購入価格によっては自動車取得税がかかる場合があります。

自動車税事務所は陸運局と同じ敷地にありますが、

管轄が違うので陸運局では税金がかかるかどうか教えてくれません。

車検証をもとに自動車税事務所に聞く必要があります。ただし、この自動車取得税は、

消費税が10%になるタイミングで廃止され、新たに環境性能割が導入される予定です。

いずれにせよ、税事務所に確認した方が確実です。

 

長くなってしまいましたが、名義変更には様々な手続きや書類が必要だということがお分かりいただけたでしょうか。

ご紹介したのは一例ですので、ご自身や会社の状況によっては更に書類が必要です。

難しいと感じたら、お近くの行政書士へご相談ください。

(川上)

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