司法書士法人・土地家屋調査士法人・行政書士

相続登記の見積り

 

身内の方がお亡くなりになられた後、葬儀が終わり、四十九日が過ぎてようやく気持ちが落ち着いたらしなければいけないのが、相続登記です。相続登記とは亡くなられた方の所有していた土地や建物といった不動産の名義を相続人の方に変更する手続きです。相続税と違って特に申告期限はありませんが、放置しておくと更に相続が起こって収拾がつかない状態になりますので早めにすることをお勧めします。また、不動産を売却するにはその前提として必ずする必要があります。

時間と根気があればご自身で出来る場合もありますが、複雑な相続関係の場合や日中お仕事がある場合は難しいと思います。今回は相続登記を司法書士に依頼する際にどのように見積り依頼をするか、見積りをどのように見ればいいのか、安くしてもらうコツ等をご紹介します。

 

 

見　積　書（サンプル）
①手続きの種類	②報酬	③登録免許税、印紙税等
所有権移転登記（相続）	50000	160000
相続関係説明図作成	20000
戸籍等取得（※）	10000	5000
遺産分割協議書作成（※）	30000
調査・謄本取得等	5000	4800
交通費・通信費・日当（※）	20000	3000
消費税	10800
小計	145800	172800
総計	318600円
備考	新宿区神楽坂の土地１筆、建物１戸

 

上記は相続登記の見積書のサンプルです。ケースとしては新宿区内に自宅を所有していた方が亡くなったことを想定しています。以下詳しい設定です。

 

・被相続人（亡くなった方）　Ａさん

・相続人　長男Ｂさんと長女Ｃさんのみ、配偶者は既に死亡

・相続物件　新宿区の自宅土地建物（価格４０００万円）

・依頼した手続き　戸籍の取得から相続登記まで全て、ただし、不動産を２分の１づつ兄

妹で相続し、遺産分割協議書は依頼者の自宅にて集まって押印する

 

まず、司法書士へ依頼する際は、直接にせよ電話にせよ、お手元に用意してほしいものがあります。

１　固定資産税納税通知書

２　登記権利証

３　亡くなられた方の戸籍謄本（除籍）、住民票（本籍地入り）

４　相続人の方の戸籍謄本、住民票

 

１の固定資産税納税通知書とは毎年６月ごろに不動産の所有者あてに送られてくる書類で固定資産税の税額と不動産の評価額が載っています。相続登記には登録免許税という税金がかかりますが、その算定に必要なのがこの書類です。これがあれば電話口でもおおよその見積りの目安を出すことが出来ます。

２の権利証については、登記に必要なこともありますし、知られていなかった所有物件が出てきたりもしますのでお持ちいただけると万全です。ほとんどの場合、無くとも登記は申請できます。

３、４についてはお持ちいただくと手続きがスムーズに尚且つお安くできます。

 

見積書を細かく見ていきます。

①手続きの種類は、報酬や税金が発生する項目ごとに書かれています。事務所によって分け方等詳細は違いますが、弊所ではなるべく細かくして記載しています。

②報酬はそのまま司法書士の報酬で消費税は別です。

③登録免許税、印紙税等は登記申請に関しては登録免許税、謄本取得は謄本の印紙代、交通費・通信費は登記申請に必要な交通費や郵送費の実費分です。

 

 

相続登記を安くするコツ

さて、各項目について詳しく説明してもいいのですが、難しい話になりがちですので、結局どうしたら安くできるかについてです。①の項目の内、安くなる可能性のある部分には※をつけています。

まず、「戸籍取得等」は依頼される方がご自身で取得してお持ちいただければ丸ごと安くなります。最近は役所も優しく説明してくれるようですので、「相続登記に必要な書類全て出してください！」とお願いしてみてください。転籍していたりすると難しいかもしれません。

また、「遺産分割協議書」は法定相続分で登記するなら作成しなくても登記できます。実際には他の財産もあるので作ることが多いです。

最後に、「交通費・通信費・日当」についてですが、こちらは依頼者様に事務所まで来ていただければ日当がタダになります。安くなった見積書がこちらです↓

 

 

見　積　書（サンプル）
①手続きの種類	②報酬	③登録免許税、印紙税等
所有権移転登記（相続）	50000	160000
相続関係説明図作成	20000
戸籍等取得（※）	0	0
遺産分割協議書作成（※）	0
調査・謄本取得等	5000	4800
交通費・通信費・日当（※）	0	3000
消費税	6000
小計	81000	167800
総計	248800円
備考	新宿区神楽坂の土地１筆、建物１戸

 

いかがでしょうか。総額で69800円安くなっています。司法書士としては丸ごとお願いしていただいた方がもちろん嬉しいですが、できることはご自身でされたい方もいらっしゃると思いますので、その際は参考にしていただけたらと思います。